2021.01.24 12:12
- #映画まとめ
2020.11.09 12:12
アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録の見どころ 1. ジェットコースター級のストーリー展開(微ネタバレあり)
アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録の見どころ 2. 8年の時を超えた華麗な伏線回収
アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録の見どころ 3. キャラが濃すぎる登場人物たち
出典: looper
アメリカンホラーストーリーは、2011年に放送された第1シーズンから続いているアメリカ合衆国のドラマだ。「黙示録」と称されたシーズン8は、アメリカでは2018年9月12日〜2018年11月14日まで放映されており、現在では Netflix で公開されている。
シーズンごとに独立したストーリーを持つオムニバス形式をとっていることが特徴で、基本的にシーズン間でストーリーが交わることはないが、シーズン8「黙示録」はシーズン1とシーズン3のクロスオーバー作品となっている。
アメリカンホラーストーリーというタイトルの通り、ホラー要素が強いシリーズではあるものの、シーズン8「黙示録」では「核戦争後の世界」「過去改変」といったトピックを扱っており、ホラー作品というよりもむしろ、SF要素が色濃く反映された作品となっている。
世界中で核戦争が勃発し、選ばれた者のみがシェルターに集められた。シェルターに集まった者たちは少ない食糧や怪しい管理人に疲弊していく。 ....そこに突如魔女たちが現れ、物語は過去へと遡る。過去ではサタンの息子が誕生し、世界を破滅させる計画を企てていた。果たして魔女たちはサタンの息子の計画を止めることができるのか...?核戦争後、シェルターの人々が行く末とは...?
出典: GILBERTSPEAKS
アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録は、勢いのありすぎるストーリー展開が見どころだ。「核戦争後の世界」「ソリッドシチュエーション」といったテーマで物語が始まったかと思いきや、気づけば「魔女の軍団」と「サタンの息子」が闘うバトル物になっている。「一体何を見せられているんだろう...」と思いつつも、物語からは目が離せなくなる。
また、なぜか物語全体の7割以上が過去編で構成されており、シーズンが終わる頃には「この広げた風呂敷を一体どうやって畳むつもりなんだ...?」と視聴者を不安にさせてくる。それでいて、最終話ではしっかりと腑に落ちる形で話を落としこみ、「全てのエピソードが繋がっていたんだ」と思わせてくれるのだ。
伏線回収は物語にとって非常に重要な役割を持っている。過去に敷かれた伏線が予想もしなかった方法で後の展開に結びついたときのカタルシスは何にも変えがたい。
アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録では、なんとシーズン1で敷かれた伏線が複数回収される。それは実に8年越しの伏線回収だ。伏線が回収されたとき、思わず声を上げてしまったほどだ。また、アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録では、シーズン3に登場した魔女たちが主役級のキャラクターとして再登場する。彼女たちの物語もまた、この黙示録で完結することとなる。
どんな伏線が隠されているのかは、実際に作品を観てもらいたい。
ちなみに、アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録を最大限に楽しむために、シーズン1とシーズン3は事前に観ておくことをおすすめするが、それ以外のシーズンを見る必要はまったくない。
アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録は、圧倒的に濃いキャラクターが複数登場する。筆者のお気に入りのキャラクターはエヴァンピーターズが演じるオタクCEOだ。 シリコンバレーのITベンチャー社長で、切りっぱなしのマッシュヘアーで、悪魔崇拝者で、ボウルにいっぱいのコカインを吸っている。その他にも、「どうやって世界を滅ぼせばいいのか悩み続ける自信がまったくない美形なサタンの息子」や「グルテン入りの食べ物を見分けることと、食べ物のカロリーを言い当てることしか能力がない魔女」も気に入っている。
「アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録」がどんなストーリーなのかを誤解を恐れず言えばこうだ。「世界を核戦争で滅ぼそうとするサタンの息子を魔女たちが止める話」
...なんと味気ない話なのだろうか。しかし、この一言で「アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録」のストーリーは説明がついてしまう。それでもこのドラマが並外れた出来になっているのは、
の3点だろう。
まさかシーズン1の最後に登場した少年がシーズン8 黙示録のラスボスとして登場する熱い展開になるとは思っていなかったし、シーズン1のモイラがシーズン3のマディソンに救われたシーンは思わず涙した。
また、黙示録から登場した登場人物たちは、皆「キャラ立ち」が素晴らしかった。コーディー・ファーン演じるマイケル・ラングドンはもちろんのこと、記憶を消されてシェルターに入ることとなった2人の新しい魔女や、魔術学校の先生たちも観ているだけで飽きないキャラクターに仕上がっていたと思う。
そして何よりも、「アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録」は物語の構成に優れていた。「核戦争後の世界のシェルターでソリッドシチュエーション」というだけなら、既視感のあるストーリーだが、そこから「魔女vsサタンの息子」のストーリー展開になるとは、誰が予想できただろうか?最終的に魔女たちは「過去に戻って少年時代のマイケル・ラングドンを倒す」という方法で勝利するのだが、そこに至るまでにこれでもかというほどマイケル・ラングドンの過去を描くことで、サタンの息子に感情移入をしてしまう仕掛けになっている点も面白い。
さらに言えば、「彼らが主人公なんだろうな」と完全にミスリードをさせた、シェルターに入った2人の少年少女が最後に登場した点も嬉しかった。結局2人は結ばれて子供を作り、「過去を変えても別のサタンの息子が生まれてしまう」という救いのないオチではあるのだが...。
出典: express
「アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録」を観終わって振り返ってみると、やはりこれはホラー作品ではなくSF作品だろう。ホラーは苦手、というSFファンも多いかもしれないが、臆せず観てもらいたい。ドラマにしては1話あたりの時間が短く、エピソード数も10話なので、時間がない人でも観やすい。
ちなみに、2020年11月現在、アメリカンホラーストーリー シーズン8 黙示録は Netflix にて視聴可能だ。